ホットスタンバイ構成とは?
ホットスタンバイ(Hot Standby) とは、システムの冗長化(バックアップ)手法の一つで、待機系の機器が常に稼働状態を維持し、障害発生時に即座に切り替えられる構成 のことです。主に サーバー、ネットワーク機器、電源装置(UPS)、PLC(プログラマブルロジックコントローラ) などで使用されます。
🔹 ホットスタンバイの仕組み
- アクティブ系(主系)
- 通常稼働しているシステム
- スタンバイ系(待機系)
- アクティブ系と同じ環境で、動作可能な状態 で待機
- 監視と切り替え
- アクティブ系の障害を検出すると、スタンバイ系に即時切り替え
この方式のポイントは、「待機系があらかじめ起動している」ことです。
🔹 ホットスタンバイのメリットとデメリット
✅ メリット
- 切り替えが高速(障害発生時に即時復旧)
- ダウンタイムが最小限
- 同一環境を維持 しやすく、復旧後の調整が少ない
❌ デメリット
- 待機系も動作しているためコストが高い(電力・ハードウェア・ライセンス費用)
- 同期が必要(データや設定のズレがあると切り替え時に問題が発生)
🔹 ホットスタンバイの具体例
✅ サーバーの場合
✅ ネットワーク機器(ルーター・ファイアウォール)
- VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol) や HSRP(Hot Standby Router Protocol) による自動切り替え
✅ 電源装置(UPS)
✅ 産業用機器(PLC)
- 冗長PLC(主系PLCがダウンすると、バックアップPLCが即座に制御を引き継ぐ)
🔹 コールドスタンバイ・ウォームスタンバイとの違い
スタンバイ方式 | 状態 | 切り替え速度 | コスト | 用途 |
---|---|---|---|---|
ホットスタンバイ | 待機系も動作中 | 即時 | 高い | 重要システム(金融・医療・制御) |
ウォームスタンバイ | 待機系は起動済みだが未稼働 | 数秒~数分 | 中程度 | 一般的な業務システム |
コールドスタンバイ | 待機系は電源OFF | 数分~ |