UPS(無停電電源装置)の選定方法について説明します。UPSを選ぶ際には、以下の主要な要素を考慮する必要があります:
### 1. 負荷容量の計算
UPSは、接続する機器の電力需要を満たす必要があります。そのため、以下の手順で負荷容量を計算します。
- **接続する機器の消費電力を把握する**:各機器の消費電力(WまたはVA)を確認し、合計します。
- **ピーク負荷を考慮する**:瞬間的な電力消費が増えることを考慮して、一定の余裕を持たせます。通常、合計消費電力に20-30%のマージンを追加します。
### 2. 必要なバックアップ時間
停電時にどれくらいの時間、電力を供給する必要があるかを決定します。これはバッテリー容量に影響します。
- **短時間のバックアップ**:データ保存やシステムの正常なシャットダウンのために数分程度で良い場合。
- **長時間のバックアップ**:重要なシステムが数時間稼働する必要がある場合。
### 3. UPSの種類
UPSにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
- **スタンバイ(オフライン)UPS**:通常は電力が直接機器に供給され、停電時にのみバッテリーに切り替わります。コストが低く、小規模なシステムに適しています。
- **ラインインタラクティブUPS**:通常時は電力の品質を改善しながら供給し、停電時にバッテリーに切り替わります。中規模なシステムに適しています。
- **オンライン(ダブルコンバージョン)UPS**:常にバッテリーを介して電力を供給し、電力品質を常に高く保ちます。重要なシステムや大規模なシステムに適しています。
### 4. 拡張性と将来の要件
将来の増設やシステムの拡大を見越して、UPSの容量やバッテリーの拡張性を考慮します。
### 5. その他の機能
- **管理機能**:ネットワーク経由での管理やモニタリング機能。
- **エコモード**:エネルギー効率を向上させるための機能。
- **フォームファクター**:ラックマウント型やタワー型など、設置スペースに適した形式を選びます。
### 6. 信頼性とブランド
信頼性の高いブランドを選ぶことも重要です。信頼性やアフターサポートの評価を確認し、必要に応じてメーカーのサポート体制も確認します。
### 7. 予算
最終的に、予算に見合った製品を選ぶ必要があります。上記の要素を考慮しながら、コストパフォーマンスの良い製品を選びましょう。
### まとめ
UPSの選定は、システムの規模や要求に応じて慎重に行う必要があります。消費電力、必要なバックアップ時間、UPSの種類、拡張性、管理機能、ブランドの信頼性、そして予算などを総合的に判断して最適なUPSを選びましょう。
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了解しました。より具体的かつ定量的な手順で、UPS製品の選定方法を説明します。
### 1. 合計消費電力の計算
まず、接続する機器の消費電力を合計します。
- デスクトップPC: 200W x 5台 = 1000W
- モニター: 30W x 5台 = 150W
- サーバー: 400W x 1台 = 400W
- ネットワーク機器: 100W x 1セット = 100W
合計消費電力 = 1000W + 150W + 400W + 100W = 1650W
### 2. マージンの追加
機器の瞬間的な電力消費の増加を考慮して、合計消費電力にマージンを追加します。ここでは20%のマージンを追加します。
余裕を持たせた消費電力 = 1650W x 1.2 = 1980W
### 3. 必要なバックアップ時間
必要なバックアップ時間を定義します。ここでは、重要なシステムが正常にシャットダウンするために最低でも15分のバックアップ時間を必要とするものとします。
### 4. UPSの選定
UPSの容量(WまたはVA)とバッテリーのバックアップ時間を考慮して、適切な製品を選定します。
#### 製品のスペックから計算
一般的に、UPS製品のスペックには定格容量(WまたはVA)とフル負荷および半負荷でのバックアップ時間が記載されています。
#### 具体例:APC Smart-UPS SMT2200C
- **定格容量**: 1980W / 2200VA
- **バックアップ時間**: フル負荷時で約7.2分、半負荷時で約20分
### バックアップ時間の確認
**フル負荷時のバックアップ時間**:
フル負荷時のバックアップ時間が約7.2分であるため、フル負荷で15分以上のバックアップ時間が必要ならば、このUPSは不足しています。
**半負荷時のバックアップ時間**:
半負荷時で約20分のバックアップ時間があります。半負荷時の消費電力は定格容量の50%であるため、このUPSは約990Wの消費電力に対して20分のバックアップ時間を提供します。
我々のシステムは1980Wの消費電力ですから、フル負荷時のバックアップ時間が短すぎることが確認できます。したがって、このUPSはバックアップ時間の要件を満たしていないと結論付けられます。
### 5. 適切なUPSの選定
バックアップ時間を15分以上確保するためには、より大容量のUPSが必要です。
#### 製品の例:APC Smart-UPS SRT3000XLA
- **定格容量**: 2700W / 3000VA
- **バックアップ時間**: フル負荷時で約10.4分、半負荷時で約24分
この製品は、以下の条件を満たします:
- 2700Wの定格容量は、1980Wのシステム消費電力を十分にカバー。
- フル負荷時で10.4分のバックアップ時間があるため、追加の外部バッテリーパックを使用することで、15分以上のバックアップ時間を確保できる可能性があります。
- 外部バッテリーパックの追加でさらにバックアップ時間を延長可能。
### まとめ
選定された製品:**APC Smart-UPS SRT3000XLA**
この製品は、1980Wのシステム負荷をカバーし、必要に応じて外部バッテリーパックを追加することで15分以上のバックアップ時間を提供できるため、適切な選択となります。