naos92の日記

あなたは夢をみる?志を低く自我を薄く、万人に好かれる便利な奴隷を目指します。

新型コロナウイルスについて本庶先生の考察と免疫グロブリンへの期待

本庶佑のインタービュー記事を目にしたので、個人的な備忘録として改めて新型コロナウイルスについて勉強した。
本庶佑とは、がんに対して免疫が働くようにする新たな治療薬の開発に貢献してノーベル賞を受賞した先生。

基本的な知識の整理として、ウイルスの基本構造は、粒子の中心にある核酸と、それを取り囲むカプシドと呼ばれるタンパク質の殻から構成された粒子である。
核酸には、
1.遺伝情報の伝達において機能するDNA(デオキシリボ核酸)と
2.タンパク質合成において機能するRNA(リボ核酸)の2種類がある。
つまり、ウイルスは、DNAとRNAのどちらか一方しか持っていないわけだ。
ウイルスは単独では増殖できないので、人の細胞の中に侵入し増殖する
吸着→侵入→膜融合→脱穀→転写複製→出芽→放出といったかんじ。

抗ウイルス薬
ウイルスは細胞膜がなく人の細胞に寄生しているため、治療薬は少ししかない抗ウイルス薬として は、ウイ ルスに直接作用するものと、免疫機能を調節するものがある。

ワクチンとは
ワクチンは、いろいろな感染症の原因となる細菌やウイルスの病原性を弱めたり、また、それらの毒素を無毒化したりしたもの。ワクチンとはワクチンを接種すると、細菌やウイルスに対する抗体(免疫グロブリン)が体のなかで作られ、白血球が「この細菌やウイルスは、敵である」ことを覚え込む。次に本当に病原性をもつ細菌やウイルスに感染したときには、集中的に敵の排除にあたることができ、感染予防、発症予防、重症化予防が可能になる。

ここまでが基本知識だ。

ここからが本番。
まず、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスやHIVウイルスと同じように、「DNA」ではなく、「RNA」を遺伝子に持つウイルスだ。
二重らせんという安定的な構造を持つDNAに対し、一重らせんのRNAは、その構造が不安定で、遺伝子が変異しやすい。インフルエンザのワクチンを打っても効かないことが多いのは、流行している間に、ウイルスの遺伝子が変異していくからだ。
そのためワクチンの開発が難しい。
もう一つ、ワクチンには「副作用」という大きな問題があります。ワクチン開発では良いところまで行きながら、臨床の段階で副作用が出て、100億円、1000億円ものお金がパーになったというケースは枚挙に暇がない。1976年に米国で新型インフルエンザの流行に備え、見切り発車で全国民へのワクチン接種を始めたものの、ギラン・バレー症候群などの副作用が出て投与中止になるという悲劇的な事件が起きたこともある。
ワクチンに対する副作用を重視した団体が新型コロナウイルス拡大まで猛威をふるっていたりもした。
本庶先生の考えでは、当面ワクチン開発よりも、「治療薬」のほうに期待すべきだと考えている。
アジア圏に感染者数がすくないのは人種により、持っている免疫系の違いがあるのではとも述べている。
日本では、感染者数が少なすぎて、統計的に有意なデータがとれないから、ワクチン開発は難しいとも述べている。

ブルームバーグの報道によるとギリアドサイエンシズは治療薬としてのレムでシビルの新しいデータを発表した模様。それにともない株価上昇。

本庶先生の記事をよんで、ワクチン開発は難しいだろうとわたしも感じた。


やはりここは武田薬品免疫グロブリンに期待したい。
知らない人向けに簡単に説明すると以下のとおり。
免疫グロブリンは抗体のことで、COVID-19に対する免疫グロブリン製剤は、COVID-19から回復した人の血漿(血液から赤血球、白血球、血小板を除いたあとに残る液体成分)を原料として製造。COVID-19から回復した人の血漿にはSARS-CoV-2に対する抗体が多く含まれており、これを患者に投与することで患者が活性化され、病状を軽減することができると期待されています。

 

近大病院の血液学の資料。

https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf

本庶のインタビュー記事。

bunshun.jp

bungeishunju.com